
Kiiro 写真教室について
本教室は、芸術写真(ファインアートフォト)に特化した写真教室です。
フォトコラージュをはじめ、絵の具を用いた加工、オリジナルレンズでの撮影、ネガやポジフィルムを素材にした作品制作など、写真を芸術表現へと広げる多様な技法を学びます。
フォトコラージュは20世紀初頭の欧米アートシーンから発展した技法で、写真に新たな価値と物語を与えるものです。
これまでアメリカやパリをはじめ国内外での展示活動の経験をもとに、日本における写真表現の可能性を広げる場として教室を立ち上げました。
教室の特徴
現在の作品や表現に悩んでいる方、ポートフォリオを本格的に構築したい方を対象に、次のステップへ進むためのレビューとアドバイスを行います。参加者は自身の作品を持参し、講師から作品の方向性やステートメントの考え方、今後の展開などについて具体的なフィードバックを受けられます。マンツーマンにも対応し、一人ひとりに寄り添った個別対応が特徴です。
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少人数指導制:一人ひとりの作品にじっくり向き合い、深く掘り下げていきます。
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対話を重視:作品について自由に語り合える、開かれた雰囲気づくりを大切にしています。
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実践重視:毎回の講座で作品提出と課題を設定。継続的な制作を支援します。
講師プロフィール
Kiiro(キイロ)|写真作家・写真講師
油絵の塗り重ねのような技法を活かしたフォトモンタージュを中心に制作。何十枚もの写真を重ね合わせた表現により、独自のファインアート作品を生み出している。
2016年、フランスの写真フェスティバル「La Gacilly(ラ・ガシリー)」に招待作家として出展される。2017年にはフランスのフォトコンテストの審査員を務める。
2015年から2020年にかけて自由が丘スタジオやTIPフォトクラスで講師を担当。写真講座やワークショップ、トークイベントなど多岐にわたる指導経験を持ち、2024年より個人での教室を開講。
Kiiro Webサイトhttp://www.iwahada.com
【コラム】
写真教室立ち上げについて
私の写真活動の経験を通して、作品制作においてこれらの経験と学びを記録し、今後の写真教室立ち上げの第一歩として残しておきたいと思います。
写真を始めたばかりの頃、私は「自分らしい作品とは何か」という問いに悩み、答えを探しながら日々試行錯誤を続けていました。その過程で得た経験や気づきこそが、今の私の写真活動の基盤となっています。
私は写真活動を始めたばかりの頃、「自分らしい作品とは何か」という問いに悩み、模索する日々を送っていました。
2010年から年間36回の展示を続けながら、自分の表現を見つけようと試行錯誤を重ねていた時期があります。そんな中で参加した写真イベント「御苗場(おなえば)」は、私にとって大きな転機となりました。1度目の出展では受賞に至らず、「どうすれば自分の作品が届くのか」と悩み、再挑戦を決意しました。
その過程で、御苗場を主催しているTIPが開催する「相談会」に参加することにしました。そこで私は、自分でも方向性の定まっていない様々なジャンルの写真を持参し、プロの写真家の方に見ていただきました。正直、「自信の作品とは何か」さえ分からず、不安な気持ちでした。
しかし、相談会の講師の方は私の作品の中から、少し異質な2枚の写真を選び「この2枚、いいんじゃない?」「並べて展示すればいいよ」とさらりとアドバイスをくれました。その瞬間、私の中でイメージが一気に広がり、どの額装がいいか、どのサイズで展示するかまで明確に浮かびました。それは、日々展示を重ねてきた経験があったからこそ感じ取れた直感でした。
その後、2ヶ月間をかけてその2枚の写真を軸に作品を展開し、15枚ほどのシリーズとしてまとめ、小冊子も作成して展示を行いました。そして翌年、念願だった受賞を果たすことができました。
この経験を通して、私は「プロのアドバイスの力」を深く実感しました。ほんの一言が、作家としての進むべき方向を照らす光になることがあります。そしてその後私は、ニューヨークのSOHO地区のギャラリー展示、パリのカリユーデル・ル・ルーブルで開催のfotofeverやフォト東京などのフォトフェアに参加、またアートフェア東京など、次のステージへと進むことができたのです。
だからこそ、私は今、次の世代の写真表現者に向けて、私が得た知識と経験を伝えたいと思っています。
私の教室が、かつての私のように悩み、模索している方にとっての“光”となれたら――これほど嬉しいことはありません。
この思いを胸に、Kiiro写真教室を立ち上げました。作品の可能性を信じる方との出会いを心から楽しみにしています。